「申し訳ありません、退職させていただきます」
何度このセリフを言ったでしょうか。
双極性障害の私は躁状態の元気なときに勢い余って仕事を決め、数ヶ月でうつ状態に陥り働けなくなり、すぐに辞めていました。
- この記事では、20年余り精神疾患と仕事を両立させようとしてがんばってきた自分の感想と、
- 比較的合っていた(マシだった)「コールセンター」の仕事について書きたいと思います。
結論から書いてしまうと、双極性障害はサラリーマン生活とは相性が悪いんじゃないかと私は考えています。自営業になるのが本当はベストなのだと思いますが、それには準備期間が必要なこともありますね。
準備期間の「つなぎ」として、コールセンターの仕事をしてみるのもおすすめです。
双極性障害2型の私は仕事が長続きしない
躁状態のときには「私には何でもできる!」と思って張り切って仕事に応募してしまいます。
ときには、自信過剰になりすぎて「介護」などハードな仕事にも挑戦しました。健康な方にとっても大変な仕事なのに。
しかし当然ながら、躁状態は長く続きません。1年未満でうつ状態が訪れて、
「こんなことしてるなら死んだ方がマシではないか」
と考えるようになります。
そうなってしまうと、まずもって会社に行くための電車にだって乗れません。
むしろその電車を「体を張って止めてしまう」のも時間の問題だと本気で思います。
しかし、そんな私でも唯一3年近く務めることができた職場がありました(結局その職場自体がつぶれたので、一応自分から辞めたのではなく、辞めさせられたのですが)。
それが「コールセンター」でした。
人間関係が希薄なコールセンターは意外と向いていた
コールセンターなんて、お客さんとしゃべるなんて、精神疾患持ちにはキツイのでは?と最初は私も思っていました。
ですが、しゃべること自体は決まりきった台本があり、それを読んでいくだけなのでコミュ障だろうとなんだろうとできます。イレギュラーなことがあったら電話を保留にして手を上げれば上司が飛んできて、答えを教えてくれるか、電話を代わってくれます。
「仕事内容がそんなに難しいことではない」という以上に、私がコールセンターが合っていると感じたのは「人間関係が希薄である」ということです。
普通の会社だと、みんなで昼食をとったり、
休みの日は何してるの?彼氏いるの?
と聞かれたり、職場の人と表面上仲良くしなければならないから大変です。
精神疾患持ちにとって、雑談は本当にキツイのです。他愛もないことを話して、普通の生活を送っていることが求められます。これは私にとってお客さんと話すのよりずっとハードルが高いです。
その点、コールセンターだと、基本的に休み時間は交代制なので1人でランチしたりお茶を飲んだりできるので友達はいりません。
また、コールセンターにはミュージシャンや俳優を目指しているなど「夢を売る仕事」の人が多く、それも私には性あっていました。彼らにとって、会社での出世は興味が無いこと。会社で誰かと仲良くしても仕方ない、と一匹狼の人が多いです。
「社畜度が低い」という感じでしょうかね。あくまで「お金を得る手段」と割り切って働いているのが良かったです。
コールセンターはすぐに辞める人が多く辞めることに抵抗がなくなる
しかし、コールセンターは人間関係が薄いとはいっても、上司とは業務上、どうしても話さないとなりません。
そこで性格の合わない、意地悪な人に当たると最悪です。仕事のストレスを私達にぶつけてきますからね。
そんなときは…すみません、私はすぐに辞めてました。
こんなことを書いたら怒られるかも知れないですが、コールセンターの離職率は半端ないです。研修の時点で半分くらい脱落しているセンターばっかりです。
ですから、上司としても部下に辞められるなんてことは日常茶飯事ですし、派遣会社にとっても同じです。どうしても無理なときは逃げるしかありません。
私が長続きしたセンターのように、快適な職場もあります。だめなときはさっさと別の現場に応募しましょう。
一般のお客様相手ではなく企業が相手のセンターならクレームは少なめ
私が経験したいくつかのコールセンターは、一般のお客様相手のものと、企業相手のものがありました。
企業の担当者と電話のやりとりをするタイプのセンターなら、相手も「仕事中」ですのでとんでもないクレームになる可能性は低くなります(もちろん、ゼロではないですが)。
会社の看板を背負っていますから一応丁寧な口調で話してくれますし、一応会社に雇われている方なので支離滅裂なことを言ったり、脅されたりはしません。
一方、お客様相手のセンターは注意が必要です。
今どき、何かわからないことがあったら、インターネットで検索して自分で解決できることが多いです。
すると、コールセンターに電話をかけてくる人というのは、
- インターネットをそもそも使っていない高齢者の方
- インターネットを使っても解決できないほどの問題が生じているお客様
になります。
特に、ネットのFAQなどで解決できない問題が生じているお客様は、絶対めっちゃ怒ってます。だからとんでもないことにもなります。まあ電話越しですから、体に危害を加えられることは皆無ですし、暴言で心に傷を負うだけですむのですが。
よいコールセンターの現場を選ぶには
- 電話相手が企業であるか、「商品の注文をとるだけ」などクレームになりにくい案件のコールセンターを選ぶ
- いい上司に当たるまで「ガチャを回す」ように妥協せず選ぶ
のがポイントかな、と思います。
以上、ちょっと長くなってしまいましたが、双極性障害2型の私でもできたよ!というコールセンターの仕事の紹介でした。
私は最初からコールセンターに強い派遣会社に登録してしまってそこからお仕事を紹介してもらっていました。しかし、現場には同じ仕事なのにもっと高い時給で働いている別の派遣会社の人がいたんですよ。しまった!と思いましたね。
タウンワークとか見てみると、「どう見ても同じ案件だろ」っていうコールセンターの仕事を、いろいろな会社がバラバラの時給で求人を出しています。なので、アルバイトサイトで最寄り駅とか仕事内容を見て同じ案件と思われる仕事はなるべく時給の高いところに応募しないと損ですね。
双極性障害2型に合っている仕事って?
さて、話を双極性障害2型に戻します。
この病気の場合、コンスタントに出勤しなくてはならないサラリーマンやパートとは基本的に相性がよくないです。
いつ急に調子が悪くなるか分からないので、「週3~4なら良い」というわけでもないのがその理由です。
今日調子が良くても、明日にはもうどうなるかわかりません。私の場合、徐々に鬱に入っていくこともあったのですが、突然電池が切れたようにだめになってしまうこともけっこうありました。
理想は自分のペースでできる仕事
やっぱりマイペースに、「やりたいときだけやれる仕事」がいいんだろうな、と思います。
または、コンスタントにやらないとならない仕事だったら「一人でやる仕事」です。
自分の精神状態に余裕があるときだけにやるか、他人からのストレスがない仕事。
自分の性格を知っていて、それでも受け入れて好きになってくれる少人数の人となら、うまくやっていけるのかな?とも思いますが…そんなことありっこない。
周りの人に恵まれるというのは、宝くじに当たるようなラッキーなのかもしれません。
占い師も良かったけど、不倫の話ばっかり聞くと嫌になった
占い師も、楽しい仕事ではありました。コールセンターでの経験で、多少の対話テクニックは身についていたので、お客様とも表面上うまくコミュニケートできてたんじゃないかと考えています。
また、星の配置やカードの出方から脳裏にストーリーが浮かんできて、それを話すのは楽しく夢があって、やりがいがありました。
ですが、やっぱりあまりにも不倫の相談が多すぎました。
せっかく占って思い浮かんだストーリーも厳しいものばかりで、それを正直に伝えるとキレられることもしばしば。
せっかく占いを勉強したのに、不倫の片棒担げと言われ、怒られ、一体何やってるんだろ?と。
双極性障害の有名人を見るとやっぱりサラリーマンは無理だと改めて思う
占いはクリエイティブな感じが良かった、と書きましたが、ウィキペディアをみていたらこんなページを見つけました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/双極性障害を患った人物の一覧
この面々、クリエイティブ過ぎませんか。もちろん、有名になった人だけをピックアップしたわけですから当然の結果でもあるのですが。
ここに出ている人物の中で、サラリーマンができそうな人、いますかね?
成功者にも色々タイプが合って、「普通の企業に努めてもうまくやっていける人」もいますし、「企業に入ったらだめだ」という人もいると思います。
ですが、この双極性障害の人物たちが真面目にスーツ着てサラリーマンとか、ちょっと想像がつきませんね。
「ブログで稼ぐ」は双極性障害2型の私にとって正直どうなんだろう
実は先日、グーグルアドセンスの申請が承認されまして。その勢いでアフィリエイトのASPも登録しました。
これでブログも一応「収益化」の第一歩を踏み出したところと言えます。
今のところ、ブログを書くのはとても楽しいですし、文章を書くのはクリエイティブな作業と言えなくもないかな?と思っています。
ただ、私は躁状態の自分をまったく信用していません。躁状態はめちゃくちゃ作業効率あがるけど、判断力がゼロになります。
うっかり気が大きくなって、変な情報商材を買わないようにしよう!と、それだけは心に決めております。
実はもう10年以上前ですが、ブログで収入を得ることに興味を持った私は、情報商材を買ったんですよ。
そうしたらもう、
「とにかく外注を雇って、サテライトサイトを作りまくって、被リンクを張りまくれ!」
って書いてあって、
と憤慨した覚えがあります。
今じゃもうこんな手法は通用しないでしょうが、きっと今でも盲点をついてズルしようとする人はいるんだろうなーと思います。
双極性障害2型になって良かったと思うのは、自分を信用しないというスタンスができあがったことでしょうか。
でも色々痛い目を見て私も学習しましたからね、何事も極端に走らず、ほどほどに。
いつか双極性障害でもブログで収入を得られたよ!という報告ができたらいいなーと夢想しながらがんばっていきます。
さいごに
今回は、双極性障害2型で(障害者雇用を使わないで)どうにか生き延びてきた私の経験を書きなぐってみました。
精神疾患の人と話していて思うのは、私達は真面目すぎるというか考え方に融通がきかない部分があるので、必要以上に「会社で働かなきゃいけない」と思い込んでるふしがあるんです。
でも、会社勤めの人の中には、口ではえらそーなこと言いながら本当はダメダメな人がいーっぱいいますからね。
そういう人は、虐げられてるストレスを弱い方に向けているだけです。気にしなくていいと思いますよ。
フリーランスになるとか、ここに書いた方法の他にも、その人にとってベストな働き方がきっとあるはず。
精神疾患持ちも、そうじゃない人も。みんなが幸せに豊かに暮らせる日が来るようにと、私はいつも願っています。