数年間、対面とチャットで占い師をやっていた一花です。
たまに「占い師になりたいんだが私に素質があるか」という質問をされることがあります。
やっぱりお金を払ってまで占い鑑定を受ける方は占いが大好きで、「できれば大好きな占いをやって暮らしていきたい!」という方も多いんですよね。
そこで今回は、実際占い師をやってみた経験をもとに、「占い師に向いている人って、どんな人なのか?」を考えてみます。
不倫の話を聞くのに抵抗のない人
いきなりなんなんだ!と思われるかもしれませんが、これが一番重要だと思うので最初に持ってきました。
ほんっとうに不倫の話は多い!1日10人鑑定して全員が不倫ネタということもあります。
おそらく、「お友達に話すわけにもいかないから、自分とまったく関係がない占い師に悩みを聞いてもらおう」となるのでしょうね。
占い師としては、「できるだけお客様の気持ちに寄り添っていきたい」という気持ちがあります。不倫の相手がその方にとって本当の「運命の相手」である可能性もゼロではないですしね。
せっかく来てくださったことだし、鑑定に来る前よりも鑑定後に少しでもお客様にいい感じになって帰ってほしいですから、「どうにかハッピーな鑑定結果になってほしい!」と思って占うのですが…ほとんどの場合、結果はダメ。
仕方がないので「あなたにはこの人はもったいない。もっといい人がいますよ!」という方向に持っていくのですが、まあ納得しないですよね。
こんなふうに、お互いになんかモヤっとした感じで鑑定が終わるのが不倫の相談なんです。
個人的には、「やっぱり不倫はよくない!」という気持ちが強く、その手の話への抵抗感は強いですね。なぜならウチの家系は不倫で何もかも失ってるんです、祖母も母もですよ!
だから遊び半分に人の家庭を壊しているお客さんをみてると、実は内心めちゃくちゃイライラしてました。
だがしかしですよ。苦手な会話だからといって嫌そうな顔をするわけにもいかないのが、仕事というもの。相手の話を「オウム返し」したり要約したりして、興味を持って聞いているフリはしてました。
占い相談で一番多い「不倫」の話。聞くのに抵抗がないか、興味を持って聞いているフリをできる演技力が必要です!
「不毛な会話」に耐えられる人
不毛な話って長くなります。どうにもお客さんが納得いかない場合、どうにか肯定的な鑑定結果を得ようとして無理やり質問をしてくるときがあります。例えば、
じゃあ、髪を切った場合の私との相性はどうですか?
いえ、そんなこともないですけど。とりあえず占ってください!!
髪を切っても、あなたはあなたです。てか、相性ってそういうものじゃないと思うんだよね…。もちろん、「髪を切る」という行為は今までのよくない流れを断ち切るのには有効な開運法であるとは思うんですが、生まれ持っての相性を変える力はさすがにない。
あとよくある不毛なパターンとしては、「彼氏」だとして占っている相手が、芸能人だったり、面識ない人だったり、片思いの相手だったりというもの。それ、先に言ってくれー!「彼氏にしては結果がおかしいし、どうなってんだ?」と散々あれこれ考えたのに!
お願い、嘘はつかないでください。
と思ってしまいます。「なんか変だ」って占い師は絶対気付きますから、時間の無駄なんですよね。それにお客さんとの信頼関係がクオリティの高い占いにつながるので、嘘つかれた時点でもうね…こっちだって人間ですから、信頼感ガタ落ちですよ。「この人のために占ったる!」という気持ちが大幅にダウンしていきます。
アドバイスを実行してくれなかったり嘘をつかれたりすることは日常茶飯事。カチンときたことを悟られず、落ち着いてどーんと構えていられる不動の心が必要なようですね。やっぱりここでも「演技力」は大事なのかもしれません。
不毛な会話がお金になるシステムに耐えられる人
占いって、時間制なんですよ。マッサージみたいに、20分で3000円・延長10分につき1000円とか。電話占いだったら、1分100円とか。
なので、会話が続けば続くほど、課金額がどんどん増えていきます。
話が長いのは前向きな議論が続いているのではなく、落とし所がなくスッキリとしない不毛な会話だから。相手がこの場にいたら「この子のことどう思ってんの!!」と私が問いただすのですが、その相手はここにいないからですからね。はっきりとした答えなんて永遠に出ません。
逆に、すごく短い鑑定で「わかりました!ありがとうございます!!」と納得して帰っていく方もいて、これはお互いに気持ちがスッキリしていてとても気持ちいいのですが、残念ながらこれはお金としては儲からないパターン。
リピートしてくださるというのが、一番こちらとしては儲かるというか…ありがたいことなのですが、リピートしてくれる方もまた「問題が解決していない」という点においてはスッキリ鑑定ではないんですよね。たとえば、
と訊いても
ああ、それはやらなかったんですけどね〜そんなことより今日は…
となってしまうことが多い。「せっかくアドバイス考えたのになあ…」とがっかりしちゃいます。
このように、
スッキリした満足度の高い鑑定=儲からない
というシステムは、はっきりと存在しているんですよね。
簡潔に要点を抑えてズバッと言うのが私の好みなので、正直きつかったです。
無駄に延長させてしまって課金額が増えていくごとに「え?ほんとにいいの?もうやめといたら?」と思ってしまいます。話すネタもだんだんなくなってくるし…。
お互いのためにならないだらだらとした鑑定でもお金のためなら!と割り切れる人は雇われる形の占い師に向いていると思います。反対に私のように無駄話が好きではない場合は、自営でやって「延長なし、1件いくら」という料金システムにしたほうが良いかもしれません。
人生経験豊富な人
これは占い技術とは関係ないことですが、占い会社のオーディションで必ず聞かれたのが、
「結婚してますか」「離婚してますか」「子供いますか」
的な話です。もちろん当てはまる項目が多いほど加点がつきます。あとは「水商売経験があるか」とかですね。
やっぱり占い師って「人生経験豊富」なイメージを持っている人が多いと思いますし、実際そうでした。ほとんどの方がダメな男につかまって驚きの体験をしています。
私がお会いしたことのある占い師さんって、みんなすごくいい人で優しかったですね。男性を甘やかしてダメにしちゃう要素を持っているんでしょう。
個人的には人生が波乱万丈じゃない占い師さんも、それはそれで好きなんですけどね。占いから導きだされた結果を自分の中で曲げずに、そのまま伝えてくれるので。「人生こういうもの」という先入観が少ないのも良いと思うんですけどね。
占い会社的には、人生で痛い目にあったことがあって、人生論を語れる人の方が好まれるようです。
まとめます
以上が私の考える「占い師に向いてる人」ですが。まとめるとこんな感じです。
- 不倫に寛容(もしくは演技力でカバー)
- 不毛な会話に寛容(もしくは演技以下略)
- 無駄に延長させても虚しくならない
- 人生経験豊富
イメージとしては、「世の中色々な人がいるなあ」と思いつつも「面白いなあー」と半ば傍観者の気分で巻き込まれずにいられる人、ということでしょうか。
これらに当てはまる方はぜひ、占いを学んで占い師さんになってみてください。需要があるので絶対売れるし、絶対面白いですよ。